成人病と生活習慣病
昔、「成人病」という言葉をよく聞きましたが、最近はあまり聞かないと思いませんか。
成人病はイコール生活習慣病だからです。生活習慣病が成人病よりもリスクが高く、発症率も高いことから、こちらに注目が集まり、成人病という言葉をあまり聞かなくなったのでしょう。
どちらも、成人してからの生活の乱れが原因で発症するとされています。成人病の定義は、「年齢を重ねるにつれて発症率が上がる、死亡率の高い病気」です。
なかでも、がん、脳卒中、心臓病は「3大成人病」と呼ばれ、現在でも日本人の死因の1位から3位を占めています。かつてはこの病気の要因が加齢によるものが大きいと考えられていたのですが、現在は、年齢だけではなく、生活によって積み重ねられた悪い習慣に大きな原因があると分かってきたのです。
ですから、年齢に関わらずもっと広い意味でこれらの病気への注意を促そうということで生活習慣病という言葉が生まれました。昨今言われている子供の糖尿病などがその例です。かつて成人病と呼ばれていたものは現在の生活習慣病の中に含まれると考えるとよいでしょう。
加齢だけが病気の原因ではないということが分かってきたということは、良いほうに考えれば普段の生活で注意をしていれば予防ができるということが分かってきたということです。若いころから生活習慣に気を付けていれば、生活習慣病のリスクはぐっと減ります。