生活習慣病の進行
生活習慣病というのは、ある日いきなり病気になるものではありません。徐々に、段階を踏んで症状が進行していくのが特徴です。
まず、最初の段階は、不規則な生活を続けている状態です。運動を怠っていたり、暴飲暴食をしていたり、睡眠不足が続いていたりするとき、自覚症状はなくても、この状態自体が生活習慣病の前段階になります。
やがて、これが続くと身体が不健康な状態になってきます。このときもまだ自覚症状はありません。しかし、健康診断をすると、数値としてはっきりと不調が分かる状態です。
たとえば、肥満症や高脂血症、高血圧や骨粗しょう症であるということが分かります。この状態を未病期と呼びます。重大な病気の発症までには至っていないが、病気の因子になるものは持っているという状態です。最後の段階でやっと自覚症状が出てきます。しかし、この段階ではもう身体は重大な状態に陥っていることもあるのです。突然起こる脳血管障害などがこの例です。
このように、自覚のないまま症状が進んでしまうというのが、生活習慣病のもっとも恐ろしいところです。予防のためには、最初の段階である不健康な生活を変えることが遠回りのようで、いちばん確実な予防対策なのです。